top of page

ひこばえ 第50号 2019秋25周年記念号より

夫(利光)も、早や10年と半年が過ぎました                                      池田 三砂子

 

 2009年3月、脳出血による右半身片麻痺と失語症から10年と半年が過ぎましたが、振り返ってみると本当にあっという間でした。

 

 6ヶ月の入院で退院時には、何とか自分の足で歩けるようにはなりましたが、右手はほとんど動かず、言葉もほとんど話せませんでした。退院後は自分で何とかするしかなく、頑張って左手でお箸を持ち左手で字も書けるようになりました。週 1回のデイサービスでは、カラオケルームもあり、カラオケで声を出して歌ったり利用者さんとの会話も少しずつできるようになりました。

 

 川平法(促通反復療法)が脳卒中のリハビリに有効と知って、麻庫の右手が何とか動くようにと2013年12月から、月1回~2回「川平法を自分達で」の大阪教室や奈良教室の研修会に参加し、そこで習った方法で毎日ハピリを繰り返すうちに、少しずつ右腕が前後左右上下に動くようになりました。でも、手首から先はまだまだ筋肉の癌縮 (けいしゅく)があり固くつっぱります。3ヶ月に1回、ボツリヌス療法で筋肉のつっぱりをやわらげてもらうと、リハビリが行いやすくなります。今年の5月から宇多野病院でボツリヌス療法とリハビリのセット入院 (2週間)が、3ヶ月ごとにできるようになりました。

 

 2015年から年1回、奈良平成記念病院で川平法強化入院(6週間)で、今年の10月で5回目の入院です。6週間毎日、川平法のリハビリを受けてそのたびごとに少しずつ回復がみられ、昨年は軽くジャンプや駆け足もできるようになり、びっくりです。本人は入院のたびに毎日たくさんの人と話すことで、会話もだんだんスムースになってきたと喜んでいます。

 

 また、2018年3月から、近くの福祉センターの会場をお借りして「脳卒中宇治、家族の会」を立ち上げました。毎月第3日曜日の午前中につどいを開催し、ご本人やご家族とお茶を飲みながら、ゆっくり気楽に情報交換や交流をています。宇治だけに限らず滋賀県や大阪からの参加もあり、会うたびに少しずつでも回復されているのを目にすると、お互いに励まされ元気をもらえます。

 

 そして今年3月から、「川平法を自分たちで」京都(宇治)教室の研修会も開催できることになりました。大阪や奈良教室まで行けない方のために会場を探していましたが、ちょうど近くの老人ホームの交流室をお借りすることができました。偶数月の第3日曜日、エアーベッド 12 台持ち込んで、理学療法士の先生方も毎回5人程来ていただき、10時~12時まで実践研修、その後お弁当を食べながらみんなで交流します。毎回ベッドが足りないくらいです。

 

 日々何かと忙しくしていまかすが、夫は毎日1万歩以上(入院中も)は歩いています。そして私たちの合言葉は「あきらめない」です

bottom of page